INTRODUCTION
『ソーホー・シンダーズ』は、ミュージカル『メリー・ポピンズ』の追加楽曲や日本でもたびたび上演されているミュージカル『ホンク!』の作者で知られる名作曲・作詞家コンビ、スタイルズ&ドリューが、童話「シンデレラ」を下敷きに創作したミュージカルです。舞台が現代のロンドン・ソーホーに、"ヒロイン"が洗濯屋で働く男の子に置き換わった"現代版シンデレラ"が誕生したのは、2011年10月9日のこと。まずはコンサート版としてウエストエンドのクイーンズ劇場で産声を上げ、その好評を受け、翌年にはオフ・ウエストエンドのソーホー劇場でミュージカル版として上演されました。
日本では2019年3月に初演。数々の大作ミュージカルの翻訳・訳詞を手掛ける高橋亜子、2.5次元作品を中心に目覚ましい躍進を遂げる演出家・元吉庸泰、そして林翔太、松岡充をはじめ、人気と実力を兼ね備えた俳優たちによって、“現代版シンデレラ”にさらなる新風を吹き込みました。
そして今年2021年、未だ冷めやらぬお客様からの熱いご要望にお応えし、いよいよ再演が決定!! 新キャストに水夏希や松村雄基らも迎え、ますます進化を遂げる2021年版ミュージカル『ソーホー・シンダーズ』に、ご期待ください!
STORY
ロンドンの街ソーホーで、亡き母親の唯一の財産である洗濯屋を経営するロビーは、店のオーナーである義姉妹にいじめられ、家賃を上げられてとうとう追い出されてしまう。
お金に困ったロビーは、経済界の大物・ベリンガム卿から援助と求愛を受けるが、実はロビーには密かに本命の恋人がいた。お相手はロンドン市長選立候補者、ジェイムズ・プリンスである。
ある日、ベリンガム卿はジェイムズの市長選資金集めのためのパーティーを企てる。そうとは知らず、高価な衣装やお金を贈られパーティーに招待されたロビー。気乗りしないまま、親友のヴェルクロやリキシャ屋のサイドサドルの応援で、夜中の12時に会場を抜け出す作戦を立て、パーティーへ出向くことに。しかしこのパーティーでロビーはジェイムズと鉢合わせてしまう! 二人の仲がばれ、ひとたび大スキャンダルとなり……!?
主人公は男性!王子様も男性(!?)
そんな二人が「本当の幸せ」を見つける、新しいシンデレラ・ストーリー!
COMMENT
林 翔太コメント
ミュージカル「ソーホー・シンダーズ」で主演を務めさせていただきます、林翔太です。
再演が決まった時はとにかく嬉しくて、前回の台本を読み返したり曲を聴いたりと、気分はもう「ソーホー・シンダーズ」でした。皆さんも好きな作品だと思うので、待望の再演という感じでとても嬉しいです。前回の上演の時はミュージカル経験も少なく、共演者の皆さんやスタッフの皆さんに助けられながらなんとかやり切ったという感じなので、今回は成長した姿も見せられたらと思います。
演出の元吉さんとは三度目のお仕事なのですが、役者一人一人と心から向き合ってくださる方で、とても安心感があり信頼しています。今回もすごく楽しみです。またロビーを演じることができるんだ!とすでにワクワクしています。
前回観た方も今回初めて観られる方も「ソーホー・シンダーズ」の世界を楽しんでいただけたらと思います!ぜひ劇場にお越しください!
松岡 充 コメント
2019年初演の千秋楽、「絶対また再演で会おうね!」とキャスト・スタッフの皆と約束してましたが、2020年春、あの頃誰も想像もしていなかったコロナの脅威に直面し、この作品だけでなく全てのエンターテイメントにおいて有人観客での上演は難しいのではないかと思っていたところでの再演が決定し、いち表現者としてとてもとても未来が明るく開けるように感じたのを記憶しています。
この作品のタイトルとなっている「SOHO CINDERS」は、和訳すると「英国ロンドンのシンデレラストーリー」つまり、男性版シンデレラ物語ということになります。今はまだ「マイノリティ」と表現されてしまいますが、僕はこのワードのイメージがあまり好きではなく、さらにはこのワードへの印象として少なからず含まれるであろう「ネガティブ」な感情も好きではありません。というのは、そもそも人は生まれ持って個であり、一人一人違ってのことなのに、たった一つのチープな価値観でまとめ、マイノリティ(少数派)と呼ぶことに抵抗を感じています。自分以外の誰かと、時間や物質や経験を共有することによって、それまで知らなかった新たな発見からの喜びや悲しみなどの感情を得て、人生は彩りを増していくものと理解しています。
その観点からすると、この作品の登場人物の人生が、ただ特異なものという事ではなく、現代を生きる人々、それぞれにフィットするであろう場面やメッセージがある作品だと思っています。
それを演技や演出でもっと身近に感じてもらえる様に表現できないかと想いを込めて、この再演でまた新たな「SOHO CINDERS」を創りたいと思っています。
ポジティブな事以外は全てネガティヴか?
僕には、それらがすべて後ろ向きではないと思えます。一瞬、後ろ向きな発言や行動に思えることも、次に進むための大きなステップへの前段階として一歩後退していることだってあるはず。
キラキラと光り輝くものを創り上げるには、その裏にあるくすみや傷に対峙することがあるからこその明るい未来だと思っているので、それを今回の再演を観る方々にも感じて欲しいと意気込んでいます。
今作を観劇された方の「明日からまた一生懸命生きるぞ」と思えるパワーに繋げるために、僕達が演じる役柄のマイノリティ(違和感のある表現であるが)な部分=痛みや傷があるけどそれは幸せへのアプローチなんだということを表現できればと。
コロナ禍での上演、<未来への希望>を身体いっぱい、心いっぱいに感じてもらえる作品にしたいと思っています。
演出・元吉庸泰 コメント
再びオールドコンプトン通りを訪れることができること、とても幸せに思います。ロビーたち愛すべきソーホーの住人たちと、どんな魔法をこの街に創造することができるのか。お稽古が始まるのが楽しみでなりません。
林くん、充さんの二人が繊細に紡いで下さったロビーとジェイムズの距離感、重なる手。目まぐるしく回るランドリーのように、出演者全員で考え、組み上げたシーンワーク(だってアンサンブルキャストをゼロでやることになるなんて!)。初演の思い出は尽きませんが、再演となった今回は新たな気持ちで戯曲と、魅力的な音楽たちと向き合って、新たなワークオブアートを立ち上げて行きたいと思います。
ランドリーのように回り続ける街、声を挙げる街ソーホーのシンデレラたちにどうか会いに来てくださいませ。